キャンプ歴10年のスタッフが、初心者目線でつまづきがちなキャンプ道具の選び方を解説してみた
皆さん、こんにちは。
キャンプブームが定着して、だいぶ経ちましたが、一時期のようなすごい盛り上がりからはかなり落ち着いてきた印象です。このキャンプブームがもたらした最大のものは、情報の肥大化です。
これからキャンプを始めようとするかたは、ネット上に溢れた玉石混交の膨大な情報の中から必要な情報を選び出して途方もない時間をかけて調べないといけない時代になってしまいました。
そこで今回は、キャンプ歴10年のスタッフが、初心者目線で、初めて家族でキャンプを計画しているひとのために、こういうのを揃えておくといいよ、あるいは、こんな感じで選ぶといいよ、というのを書いてみたいと思います。
■テントの選び方
テントですが、先に結論から申し上げると、キャンプ場でレンタルが可能ならレンタルしてください。
もしくは、コテージが予約できればコテージにしてください。
理由としては、まず今後も使うかどうかわからない、ということです。
また一口にテントと言っても、様々な種類や用途があるので、初心者の人が、いきなり独学のみで正解にたどり着くのは結構な難易度です。一度やってみて、これからも趣味になりそうであれば購入を検討するのが良いと思います。
●中古で購入する場合
購入しないといけない場合は、新品と比べて格段に安い、中古を利用するのも良いのですが、いくつかポイントがあります。
- 取扱説明書があるものを購入する。
- 説明書に記載してある対応人数マイナス1人くらいを適正人数と考える。(5人用と書いてあったら4人までが適正)
- なるべく新しくてキレイそうなのを購入する。
- できれば購入前に部品が揃っているか確認する。
- 購入後、キャンプに行く前に試し張りをする。
- トンネル形テントがあれば、そちらを選んでもらう。
最後のトンネル形テントというのは、こういう感じのですね。
トンネル形テントをおすすめする理由は、比較的設営の難易度が低めということもありますが、後述するタープがなくても大丈夫になるという点が一番大きいです。
テントの張り方もかなり大事です。
ただテントを張るだけであれば、説明書を見ながら張ればどうにかなると思います。
特に夏にテントを使う場合は、内部の空気の循環を良くしないと籠もって暑くなりがちです。
以下の点を抑えておくと良いです。
●上部のベンチレーションを開放する。
テントの上部には、上の写真のような通気口があります。写真の中央のつっかえ棒のようなもので開放することができます。ここを開放することで、上から暖まった空気が抜けていくようになります。
●テントの外側のシート(フライシート)の下部を広めに開ける
テントを建てるとロープを張る箇所がいくつかありますが、基本的にはこのロープをすべて張った状態にします。特に注意したい部分は、上の画像の印がついている箇所です。
ここを広めに開けると、新鮮な空気が供給されやすくなります。寒くなりそうな場合は、閉じ気味にすることで調整ができます。
■タープの選び方
タープというのはこちらです。
テントが寝室だとすれば、食事などをするダイニングの役割をするのがタープです。
こんなのなくてもいいんじゃない?と思う方もいるかと思いますが、実際、晴れていればなくても大丈夫かもしれません。
ただ、夏に山間部にあるキャンプ場を利用する場合、結構な確率で夕立に遭います。
実際、筆者自身も、この10年、ほぼ毎年8月にキャンプに出掛けていますが、夕立に遭わなかった年の方が少ないくらいです。
ただ、いかんせん、このタープというのが初心者にはハードル高めです。なので、タープ機能のついたトンネル形テントだとこの部分が解消されるのです。
重くかさばりますが、ワンタッチタープを使うという手段もあります。キャンプ場のレンタルであれば、それが良いかもしれません。
ワンタッチタープは、重くかさばる割に、日陰を遮る面積も少なく、風に弱いという特徴があります。
キャンプ用のタープは、テントと比べればはるかに安く、重量も軽いですので、お手頃なものを購入して、公園などで練習してみるのもいいかもしれません。テントと違ってデイキャンプでも使用できます。
■寝具の選び方
キャンプで言う寝具というのは寝袋とマットのことです。他にコットというアウトドア用のベッドもありますが、人数分必要な上、初心者向きとは言い難いアイテムです。
まず寝袋ですが、さほど標高が高くないキャンプ場であれば、夏は寝袋はなくても大丈夫です。
家にあるタオルケットやブランケットがあれば十分な事が多いです。平地の場合は、逆に夜の暑さ対策のほうが苦労するかもしれません。
マットは、大きく分けて2つのタイプが有ります。
インフレーターマットは内部にウレタンのスポンジが入っており、収納時はクルクルと丸められていますが、開いて栓をあけると自動的に空気を取り込んで膨らんでいきます。それだけでは使えないので、ポンプなどで空気を足してパンパンにします。
対してクローズドセルは、蛇腹状に折りたたまれているだけですので広げれば、すぐに使えます。どちらがどうということもないですが、インフレーターマットのほうが厚みがあるタイプなどバリエーションが多いのでキャンパーの使用率はインフレーターマットのほうが高いように思います。
ちなみに筆者は、硬い寝床が苦手なので、格安インフレータマットを2枚使用しています。このあたりの好みは、非常に個人差の出やすいところかと思います。
■テーブル、チェア、焚き火台などの選び方
●テーブルの選び方
テーブルは、キャンプ以外でもBBQなどで使えると思いますので、少し大きめのものをチョイスすると良いと思います。キャンプのときは、なんでもかんでもテーブルにものを置きがちです。小さいのだと置き場がなくて困ることもあります。
●チェアの選び方
チェアは、自宅にアウトドア用のチェアがあれば、それを使うと良いのですが、キャンプ中は、このチェアに座っている時間が長いので、この際買ってしまっても良いかもしれません。
重要な点は、テーブルとイスの高さを合わせることです。最近のキャンプ用のチェアは座面が低いものが多く、テーブルもそれに合わせて高さが低くなっています。
購入する場合の、ポイントですが、軽くて組み立てが簡単なものがオススメです。なにせ同じものを使用する場合、人数分の組み立て作業が発生するからです。
上の画像のチェアは、Colemanの定番のチェアですが、比較的リーズナブルで軽くて組み立てやすい筆者おすすめのイスです。
●焚き火台の選び方
焚き火をすることにこだわりがなければ、家にあるバーベキューコンロでも良いですし、BBQ調理にもこだわりがなければ、家にあるカセットコンロでも大丈夫です。
焚き火をしたい場合、多くのキャンプ上では、焚き火をする場合は焚き火台を使うことがルールとなっています。
焚き火台は、色々なところで安いものも含めて多く出ていますが、選ぶポイントとしては、以下のとおりです。
- 調理がしやすいものを選ぶ
- 軽くて組み立てが簡単なものを選ぶ
- 灰が捨てやすく、掃除がしやすい形状の物を選ぶ
オススメの焚き火台はこちらです。
ユニフレームのファイアグリルです。かなりレガシーな商品ですが、調理がしやすく、軽くて簡単に組み立てられ、掃除もしやすい、この3つの要素で言えば、勝るものはないのではないかと思っています。
■その他、持っていくもの
その他、持っていくものとしては以下のようなものがあります。
- 食材、調味料や食器類、クーラーボックス、洗剤など
- ランタン(大小あわせて最低2つ。ひとつはなるべく明るいもの)
- 軍手、ライター、薪、炭、火ばさみ
- 着替え、洗面具、タオル類、ファーストエイドセットなど
自分で書いてて思いますが、キャンプって本当に持ち物が多いんですよね。
ただ、慣れてくると、キャンプ用の食器セットだったり、調味料セットだったり、自分なりのセットができてきて、準備そのものにも慣れてくるようになると思います。
■キャンプの楽しみは、人それぞれ。
はじめの頃は、なにからはじめて良いのか、分からないことばかりで周りの目が気になることもあるかもしれませんが、自由に楽しむことがキャンプの本質であると、筆者は考えています。
せっかくの非日常を楽しむわけですから、どうせなら普段なら絶対に作らないような料理をつくってみたり、普段やらないようなアクティビティを楽しんでみたり、逆にあえて一切なにもしない時間をつくってみたり、なにかキャンプに行くことが楽しみになるような事柄を作っておくと、キャンプそのものの楽しみ方の幅が増えていくのかもしれません。
この記事をお読みくださった方がキャンパーになってくれることを願っています。